馬券が当たって喜んだのも束の間、払い戻し額を確認すると購入金額よりも少なく、結果的に損をしてしまう。これがまさに「ガミる」状態です。競馬では、オッズの低さや買い目の多さなどによって、こうした当たっても負ける現象が意外と頻繁に起こります。
「ガミる」「トリガミ」の語源を図解
さらに、名詞の「トリガミ」が動詞になり、省略されて…
この記事では、「ガミる」という言葉の意味や語源、そして実際にどのようなときにガミりが発生するのかを具体的なケースを交えながら解説します。
仕組みを知ることで、無駄な出費を抑え、より効率的に競馬を楽しむためのヒントが得られるはずです。
AI分析で見る「ガミりやすい」買い方の傾向
買い方のパターン | 買い目 点数 |
ガミりやすい オッズの目安 |
危険度 | AIからのワンポイント |
---|---|---|---|---|
3連複 5頭ボックス | 10点 | 10.0倍以下 | S | 最も発生しやすいパターンの一つ。本命サイドでの決着時に起こりやすいため、購入前のオッズ確認が重要です。 |
馬連 5頭ボックス | 10点 | 10.0倍以下 | A | 人気馬同士の決着では発生頻度が高まります。特に1〜3番人気が絡む組み合わせのオッズに注意が必要です。 |
3連単 1着固定 相手5頭ながしマルチ |
60点 | 60.0倍以下 | A | 買い目が多く高リスク。本命馬が1着でも相手が人気薄でないとガミるため、資金配分が非常に重要になります。 |
3連複 4頭ボックス | 4点 | 4.0倍以下 | B | 1番人気が絡むとオッズが低くなりがち。4点でも油断せず、最低オッズを確認する習慣をつけましょう。 |
ワイド 1番人気 – 2番人気 |
1点 | 2.0倍以下 | B | 「鉄板」と思われがちですが、オッズが低すぎてガミることも。2倍を切るならケン(見)も視野に入れるのが賢明です。 |
複勝 1番人気 | 1点 | 1.0倍 | C | 元本割れは稀ですが、1.0倍だと実質ガミりと同じです。リターンが見合っているか検討しましょう。 |
競馬のガミるとは当たっても収支がマイナスになること
競馬における「ガミる」とは、馬券が的中して払い戻しがあったにもかかわらず、購入金額のほうが大きく、最終的に収支がマイナスになる状態を指す言葉です。
たとえば1000円分の馬券を購入して、払い戻しが800円しかなければ200円の損失になる。このように当たっても損をする現象を、競馬ファンの間では「ガミる」と呼んでいる。
初心者にとっては「当たったのに負ける」という不思議な感覚に思えるが、実際にはオッズの仕組みと購入方法の影響でよく起こる。
とくに人気馬の組み合わせや点数を広げすぎた買い方では発生しやすく、長期的に見ると回収率を下げる原因にもなる。
ガミりを防ぐためには、オッズと購入点数のバランスを考慮し、当たる確率だけでなく収支全体を意識した戦略が求められる。
トリガミ危険度チェッカー
なぜガミると言われるようになったのか?「語源」と由来
「ガミる」「トリガミ」の語源を図解
さらに、名詞の「トリガミ」が動詞になり、省略されて…
「ガミる」という言葉は、もともと競馬用語の「トリガミ(取り紙)」が語源とされています。トリガミとは、馬券が当たって払い戻しを受けても、購入金額のほうが多く、最終的に収支がマイナスになる状態のことです。
つまり、払い戻しを受けても“紙を取っただけ”という意味から、「取り紙」と呼ばれるようになりました。この「紙(かみ)」という言葉が変化して「ガミ」となり、そこから「ガミる」という動詞として使われるようになったといわれています。
現在では、競馬ファンの間で「当たったけどガミった」「惜しいけどガミだった」といった会話の中で自然に使われており、競馬をする人なら誰もが一度は耳にする言葉です。
また、最近では投資やくじなど、ほかの分野でも「利益が出ない当たり方」を表す比喩として使われることもあります。
なぜ「ガミる」のか?トリガミが起こる2大原因
1番人気や2番人気といった人気馬同士で決着すると、多くの人が的中するため、配当が非常に低くなります。そのため、たとえ的中しても払戻金が購入金額を上回らず、結果として収支がマイナスになってしまいます。
的中オッズ: 1.5倍
払戻金: 100円 × 1.5倍 = 150円
結果: 50円のマイナス (ガミり)
的中確率を上げようとボックス買いや流し買いで買い目を広げすぎると、購入金額が大きくなります。当たった組み合わせの配当がそれほど高くない場合、払戻金が購入金額に届かず「ガミり」が発生します。
的中オッズ: 8.5倍
払戻金: 100円 × 8.5倍 = 850円
結果: 150円のマイナス (ガミり)
「ガミる」原因には、主に2つのパターンがあります。ひとつは「人気馬ばかりが上位に入ったことでオッズが低くなった場合」、もうひとつは「買い目を広げすぎて購入金額が増えた場合」です。
どちらも、的中しているのに最終的な回収金額が購入金額を下回る要因になります。たとえば本命サイドのレースでは、1番人気や2番人気が絡むと配当が極端に低くなります。
そのため、100円的中しても払戻金が110円や120円程度にしかならず、トータルで見ると損をしてしまうのです。また、複数の組み合わせを買うボックス買いや流し買いは、的中確率を上げる反面、点数が増えるためコストがかさみやすくなります。
ガミりを防ぐには、オッズと購入点数のバランスを意識し、「当たる確率」だけでなく「どれだけリターンを得られるか」を冷静に考えることが大切です。
ガミり損益分岐点シミュレーター
原因①:本命サイドの低いオッズで決着した
ガミりが起こる典型的なパターンのひとつが、「人気馬同士の決着による低オッズ」です。
たとえば、1番人気と2番人気が順当に上位に入った場合、配当は多くの人が的中しているため、全体の払い戻し額が下がります。
結果として、的中しても100円あたり110円や120円しか戻らず、購入点数や金額によっては赤字になります。特に、単勝や馬連などシンプルな券種で人気馬を中心に買っている人ほど、この状況に陥りやすいです。
初心者の方は「当たればプラス」と思いがちですが、競馬のオッズは需要と供給のバランスで決まるため、人気馬の組み合わせはリターンが少なくなります。
回避するには、人気馬を軸にしても相手に少し穴馬を絡める、または買い目の金額配分を工夫するなど、リスクを分散させる意識が重要です。
原因②:買い目点数が多すぎた(ボックス買い・流し買い)
もう一つの大きな原因は、買い目を増やしすぎることです。特にボックス買いや流し買いを多用すると、的中の可能性は上がる一方で、購入金額が一気に膨らみます。
たとえば3連複の6頭ボックスを100円ずつ買うと、15点で1500円の出費になります。仮に的中しても払い戻しが1200円程度であれば、結果的に300円のマイナスです。
このように、当たってもトータルで損をするのがガミりの典型的なパターンです。
特に「せっかくなら全部押さえておきたい」と思う心理が働くと、無意識のうちに点数が増えてしまいます。
ガミりを防ぐためには、買い目の数を絞る勇気と、レースごとに「勝負レース」と「様子見レース」を分ける判断力が大切です。
限られた資金の中で効率的に回収を狙うことが、競馬で長く楽しむためのポイントといえます。
【計算例】具体的なレースでガミる瞬間をシミュレーション
【計算例】具体的なレースでガミる瞬間をシミュレーション
よくある買い方で、的中してもマイナスになるケースを見てみましょう。
買い方 (1点100円の場合) |
購入金額 | 的中オッズ (例) | 払戻金 | 収支 | 判定 |
---|---|---|---|---|---|
ワイド (2点買い) | 200円 | 1.5倍 | 150円 | -50円 | ガミり |
3連複 4頭ボックス | 400円 | 3.5倍 | 350円 | -50円 | ガミり |
馬連 5頭ボックス | 1,000円 | 9.0倍 | 900円 | -100円 | ガミり |
3連複 5頭ボックス | 1,000円 | 8.5倍 | 850円 | -150円 | ガミり |
3連複 1頭軸-相手5頭ながし | 1,000円 | 7.2倍 | 720円 | -280円 | ガミり |
3連単 1着固定-相手5頭マルチ | 6,000円 | 55.0倍 | 5,500円 | -500円 | ガミり |
ガミりが起こる仕組みを理解するには、実際に数字で見てみるのが一番です。ここでは、代表的な2つのケースを例に、当たってもマイナスになる瞬間をシミュレーションしてみましょう。
ワイドのように一見堅実な買い方でも、オッズの低さによってはガミることがあります。
また、3連複ボックスのように買い目を広げると、的中しても払い戻しが追いつかないケースも少なくありません。以下では、それぞれの買い方で具体的にどのような収支になるのかを見ていきます。
ケース1:ワイド2点でガミる場合(100円×2点=200円購入)
たとえば、2頭の人気馬をワイド2点でそれぞれ100円ずつ購入したとします。合計購入額は200円です。
仮に1番人気と2番人気の組み合わせが的中し、オッズが2.0倍だった場合、払い戻しは100円×2.0=200円となり、結果はプラスマイナスゼロです。
オッズが1.9倍であれば、払い戻しは190円となり、10円のマイナスになります。このように、的中しても購入額を上回らないケースが「ガミる」状態です。
特にワイドは当たりやすい反面、人気馬同士では配当が低くなりがちです。「当たったのに増えない」というもどかしさを感じることも多く、初心者が最初に経験しやすいガミりの典型例といえます。
ワイドを楽しむ際は、人気の組み合わせだけでなく、少しリスクを取って中穴やヒモ穴を絡めることで、回収率を改善できる可能性があります。
ケース2:3連複ボックス買いでガミる場合(100円×10点=1000円購入)
次に、3連複で5頭ボックスを組んだ場合を考えてみましょう。5頭ボックスでは組み合わせが10通りとなり、100円ずつ購入すると合計1,000円の投資になります。
仮に的中した組み合わせのオッズが9.8倍だった場合、払い戻しは980円です。一見「当たった!」と喜びたくなるところですが、実際には購入額の1,000円を下回っているため、結果は20円のマイナス、つまりガミりです。
3連複は人気馬が絡みやすいレースでは配当が低く、ボックス買いをすると的中しても赤字になるリスクが高まります。「念のため押さえておこう」と買い目を増やすほど、損益分岐点が上がる構造になっているのです。
ガミりを防ぐには、レースの傾向や人気分布を踏まえ、買い目を減らす勇気を持つことが大切です。闇雲に点数を広げるよりも、オッズと回収率のバランスを意識した戦略が、長期的なプラス収支につながります。