MENU

複勝転がしのやり方と勝ち方!資金管理から回収率を上げるコツを解説

競馬ファンの間で密かに人気の「複勝転がし」という賭け方をご存知でしょうか?少額の資金から始めて連続的中で資金を雪だるま式に増やせる夢のある戦略として、「競馬で勝つ」ためのテクニックとして紹介されることもあります。

図解でわかる!複勝転がしの仕組み
スタート
最初の資金を用意する
1,000円
初期資金
1レース目【的中】
複勝オッズ1.5倍に挑戦
1,500円
払戻金
2レース目【的中】
払戻金を全額再投資 (オッズ1.5倍)
2,250円
払戻金
成功ルート
3レース目も的中すると、資金はさらに増加。ここで利益を確定すれば勝ち。
3,375円
最終利益
失敗ルート
たった一度でも不的中になると、それまでの利益も元金も全て失う。
0円
最終残高

複勝馬券(選んだ馬が3着以内に入れば的中)の的中率の高さに着目し、「当たりやすい馬券を転がしていけば大儲けできる」と考える人も多いのです。

しかし一方で、専門家からは「初心者向けどころか極めて不利な戦略だ」との指摘もあります。では実際のところ複勝転がしとはどんな手法で、どう運用すれば効果的なのでしょうか?

本記事では資金管理や期待値などの観点から、複勝転がし戦略を初心者から中級者向けに深掘り解説します。

回収率を高める実践アプローチや数学的な裏付け、戦略ごとの長所・短所、シミュレーションによる検証、そして勝つために欠かせないメンタル管理とルール遵守の重要性まで網羅した完全ガイドです。

項目 内容・ポイント
基本ルール 的中した複勝の払戻金を、次のレースへ全額再投資し、複利効果で資金を増やす戦略。
メリット
(魅力)
  • ハイリターン: 少額資金からでも、連勝すれば資金が爆発的に増える可能性がある。
  • ゲーム性: 的中が続くスリルと、資金が増えていく高揚感を味わえる。
  • 的中率: 券種が「複勝」のため、単勝などに比べて的中させやすい。
デメリット
(危険性)
  • ハイリスク: たった一度の不的中で、利益も元金も全て失う(資金がゼロになる)。
  • 確率の壁: 連勝確率は回数を重ねるごとに指数関数的に低下し、成功は極めて難しい。
  • 精神的負荷: 賭け金が増えるほど「失敗できない」というプレッシャーが大きくなる。
成功の鍵 ①
【資金管理】
  • 資金分割: 予算を複数に分け、一度の失敗で全滅しないように挑戦回数を確保する。
  • 出口戦略: 「〇連勝したらやめる」「〇円になったらやめる」という明確なルールを事前に決める。
成功の鍵 ②
【馬券術】
  • オッズ設定: リスクに見合うリターンを得るため「複勝1.3倍以上」などオッズの下限を決める。
  • レース厳選: 荒れそうなレースや自信のないレースは見送り、勝負できるレースだけに絞る。
成功の鍵 ③
【メンタル】
  • ルール遵守: どんな状況でも感情的にならず、事前に決めたルールを機械的に守り抜く。
  • 損切り意識: 失敗時に熱くなって取り返そうとせず、潔くその回の挑戦を終了させる。
おすすめ
スタイル
  • 初心者向け: まずは「2連勝」を目標に、利益確定の成功体験を積む。
  • 安定志向向け: 資金を2~3本に分ける「分散型」で、全滅リスクを抑えながら挑戦する。
目次

複勝転がしの基本ルールと仕組みとは?

図解でわかる!複勝転がしの仕組み
スタート
最初の資金を用意する
1,000円
初期資金
1レース目【的中】
複勝オッズ1.5倍に挑戦
1,500円
払戻金
2レース目【的中】
払戻金を全額再投資 (オッズ1.5倍)
2,250円
払戻金
成功ルート
3レース目も的中すると、資金はさらに増加。ここで利益を確定すれば勝ち。
3,375円
最終利益
失敗ルート
たった一度でも不的中になると、それまでの利益も元金も全て失う。
0円
最終残高

複勝転がしとは?少額から大金を狙う仕組み

複勝転がしとは、あるレースで的中した複勝馬券の払戻金を、次のレースの複勝馬券に全額再投資していく手法を指します。

このプロセスを連続して成功させることで、複利効果のように資金を指数関数的に増やしていくことを目的とした戦略です。

例えば、最初に1,000円で複勝馬券を購入して的中し、1,500円の払戻金を得たとします。次はこの1,500円をそっくりそのまま別のレースの複勝馬券に投じ、的中すればさらに増えた払戻金を次のレースへとつなげていきます。

この連鎖が一度でも外れた時点で資金はゼロになりますが、連勝が続けば元手が何十倍にも膨れ上がる可能性を秘めています。

複勝馬券は選んだ馬が3着以内(出走頭数が7頭以下の場合は2着以内)に入れば的中となるため、単勝や馬連といった他の券種に比べて的中率が高いのが特徴です。

この「当たりやすさ」を拠り所に、少額の元手から大きな利益を狙えるという魅力が、多くの競馬ファンを引きつけてやみません。

テレビの競馬番組で特集されたり、インターネット上で個人の挑戦企画として取り上げられたりすることも多く、競馬における夢のある馬券術として広く知られています。

複勝転がしのメリットと致命的なデメリット

複勝転がしの最大のメリットは、何と言っても少ない資金で大きな夢を追える点にあります。数百円から千円程度の少額からスタートでき、うまくいけば短期間で資金を数十倍、数百倍に増やすことも理論上は可能です。

「1万円を100万円にする」といった壮大な目標を掲げて挑戦するファンが後を絶たないのも、この爆発力があるからこそです。

また、転がしを続ける過程で各レースの予想を真剣に行うため、自然と予想スキルが磨かれるという副次的な効果も期待できます。

的中が続くスリルや、払戻金が複利で増えていく高揚感は、他の馬券術では味わえない複勝転がしならではの醍醐味と言えるでしょう。

一方で、デメリットは極めて明確かつ致命的です。それは、たった一度の不的中で、それまでに積み上げてきた利益と元手のすべてが失われるという点です。

どんなに連勝を重ねていても、たった一回のハズレで資金はゼロに戻ります。また、的中率が高いとされる複勝でも、連続で的中させ続けることは想像以上に困難です。

圧倒的な1番人気馬ですら、約2割は馬券圏外に敗れるというデータもあり、的中率80%の馬を選び続けたとしても、5回連続で成功する確率は約33%まで低下します。この連勝のハードルの高さが、複勝転がしは非現実的な戦略だと指摘される大きな理由となっています。

複勝転がし成功の鍵を握る資金管理術

破産を防ぐ初期投資額の設定と運用ルール

複勝転がしをギャンブルではなく戦略として実践する上で、最も重要なのが資金管理とリスクコントロールです。

まず、初期投資額は必ず生活に影響の出ない余裕資金の範囲内で設定することが大前提です。少額から始められるのが魅力ですが、100円などあまりに少額すぎると、何連勝してもリターンが小さく、労力に見合いません。

最低でも500円から1,000円程度を初期投資額の目安とするのが現実的でしょう。次に重要なのが、総資金を分割して複数回の挑戦機会を確保することです。

例えば予算が1万円ある場合、1回の挑戦に使う上限を1,000円と決めれば、合計10回のチャレンジが可能です。これにより、一度や二度の失敗で即座に資金が底をつく事態を避け、精神的な余裕を持って再挑戦できます。また、自分なりの投資ルールを事前に厳格に定めておくことも不可欠です。

「複勝オッズ1.2倍未満の馬は買わない」「新馬戦やハンデ戦など、不確定要素の多いレースは見送る」といった具体的な基準を設けることで、感情的な判断による無謀な賭けを防ぎます。

参加しない勇気を持つことも、長期的に資金を守るためには非常に重要なスキルなのです。

利益を確保するための明確な「やめどき」設定

資金管理において、始めるルールと同じくらい重要なのが「どこで止めるか」という出口戦略です。複勝転がしは成功が続くと、「もっと増やせるはずだ」という欲が出てしまいがちですが、前述の通り連勝はどこかで必ず途切れます。

そのため、あらかじめ利益を確定するストップポイントを明確に決めておく必要があります。最も一般的なのは、目標金額を設定する方法です。

「元手の1万円が5万円になったら終了する」というように具体的なゴールを決め、そこに到達したら潔くその回の転がしを完了させます。

目標達成後も続行するのは、せっかく得た利益を失うリスクを高めるだけです。また、金額ではなく連勝回数で区切る方法も有効です。「3連勝したら利益確定」と決めておけば、運良く目標を達成した時点で利益を確保できます。

初心者の場合は、まず2連勝や3連勝といった低い目標から始め、成功体験を積むことが推奨されます。さらに、連勝の途中で元本分だけを確保する「部分利確」も賢い戦略です。例えば1,000円が5,000円に増えた時点で、元手の1,000円を財布に戻し、残りの4,000円で転がしを続行します。

こうすれば、たとえその後失敗しても損失はゼロで済み、リスクを大幅に軽減できます。これらのルールを事前に定め、いかなる状況でも遵守する強い意志が、最終的な勝利を手繰り寄せるのです。

複勝転がしで回収率100%超えを目指すための実践的な馬券術

オッズの歪みを見抜く「バリューホース」の探し方

複勝転がしで長期的に利益を上げるためには、漫然と人気馬を選び続けるのではなく、回収率を意識した馬選びが不可欠です。

競馬の複勝における控除率は20%であり、払戻率は80%に設定されています。これは、何も考えずに馬券を買い続けた場合、回収率は理論上80%に収束することを意味します。

この壁を乗り越え、回収率100%超を達成するには、「オッズと本来の勝率(複勝圏内に入る確率)との間に生じるズレ」を見つけ出し、期待値の高い馬券、すなわち「バリューホース」に投資する必要があります。

具体的には、実力以上に人気が先行し、オッズが低くなりすぎている過剰人気馬を避け、その一方で実力があるにもかかわらず、あまり人気がなく妙味のあるオッズがついている馬を探し出す作業が求められます。例えば、絶対的な1番人気馬の信頼性に疑問符がつくレースでは、敢えてその馬を外し、2番人気以下の馬の中から、複勝圏内に食い込む可能性が高いと判断した馬を選ぶのも一つの戦略です。

たとえ1番人気馬が馬券に絡んだとしても、自分の選んだ馬が3着以内に入れば的中となり、もし1番人気馬が飛べば、複勝の配当は大きく跳ね上がります。オッズと的中確率を常に天秤にかけ、「的中確率 × オッズ」で算出される期待値が1を上回るかどうかを冷静に見極める習慣が、回収率の向上に直結します。

利益を最大化するオッズ下限の設定とレース厳選術

複勝転がしにおいて、低すぎるオッズの馬券を買い続けるのは得策ではありません。例えば、複勝オッズが1.1倍のような「元返し」に近い馬券では、10回連続で的中させても資金はようやく2.6倍程度にしかならず、一度でも外れれば全てを失うリスクに見合いません。

労多くして功少なし、という結果に終わる可能性が非常に高いのです。そのため、ある程度の利益を確保し、リスクとリターンのバランスを取るために、賭ける馬のオッズに下限を設けることを強く推奨します。一般的には「複勝オッズ1.3倍以上」、最低でも「1.2倍以上」を基準とすると良いでしょう。

このくらいのオッズがつく馬であれば、的中した際に着実に資金を増やすことができ、連勝の価値も高まります。また、手当たり次第にレースに参加するのも避けるべきです。

勝負するレースの数を増やせば増やすほど、不的中に遭遇する確率は必然的に高まります。1日に参加するレースは多くても2レース程度に絞り込み、その中でも特に自信の持てるレースだけを厳選して勝負することが重要です。

自分なりの得意な条件、例えば「特定の競馬場の特定の距離」や「軸馬に信頼できる馬がいるが、相手が混戦模様のレース」など、勝算の高いパターンを見つけ出し、その条件に合致するレースまで待つ忍耐力も、複勝転がしを成功させるための重要な要素となります。

複勝転がしに潜む数学的な罠と確率論

図解:複勝転がしの数学的なワナ
控除率がもたらす期待値の壁
競馬の払戻金は、売上から主催者の取り分(控除率20%)が引かれます。そのため、転がすたびに期待値は目減りしていきます。
スタート
10,000円
1回転がし
期待値
8,000円
3回転がし
期待値
5,120円
5回転がし
期待値
3,280円
連続的中確率の低下
たとえ的中率70%という信頼度の高い馬を選んでも、連勝する確率は回を重ねるごとに急激に低下します。
100%
スタート
70%
1回成功
49%
2連勝
34.3%
3連勝
結論:複勝転がしは、回数を重ねるほど数学的に不利になる仕組みである。

控除率がもたらす期待値の壁と長期的な不利

複勝転がしの戦略を数学的な観点から評価すると、その難しさがより明確になります。日本の公営競技である競馬では、すべての馬券売上から一定割合が主催者の取り分として差し引かれます。

これを控除率と呼び、複勝馬券の場合は一律で20%です。つまり、ファンが投じた資金の80%が的中者に払い戻される仕組みになっています。この事実は、全ての馬券の期待値の平均が0.8であることを意味します。複勝転がしは、的中するたびに払戻金を再投資する行為の連続です。

これは、レースごとに期待値0.8の壁に挑戦し続けることと同義であり、転がす回数を重ねるほど、控除が累積していきます。例えば、期待値0.8の馬券を5回連続で購入した場合、トータルの期待値は0.8の5乗、すなわち約0.328まで低下してしまいます。

これは、10,000円を投じた場合、平均的には3,280円程度しか戻ってこない計算になり、転がせば転がすほど理論上は不利になることを示しています。もちろん、これはあくまで平均の話であり、優れた予想力によって期待値が1.0を超える馬券を選び続けることができれば、この不利を覆すことは可能です。

しかし、毎回20%のハンデを背負いながら勝負しているという数学的な現実は、常に念頭に置いておく必要があります。

連続的中確率が示す連勝の難しさと統計的リスク

複勝転がしの成否を分けるのは、言うまでもなく「連続的中」です。そして、連続で物事を成功させる確率は、各事象の成功確率を掛け合わせることで求められます。

例えば、複勝圏内に来る確率が70%(0.7)という非常に信頼度の高い馬を選んだとしても、2回連続で的中させる確率は0.7×0.7で49%に、3回連続となると0.7の3乗で約34.3%にまで低下します。

このように、どれだけ的中率の高い選択肢を重ねても、連勝の回数が増えるごとに成功確率は指数関数的に減少していくのです。さらに、複勝転がしで大きな利益を得ようとすると、必然的にある程度の配当妙味がある馬、つまり的中率がそれほど高くない馬も選択肢に入れなければなりません。

仮に、オッズ2.0倍、的中率40%の馬券で転がしを行った場合、5回連続で成功する確率は0.4の5乗で、わずか1.024%しかありません。

元金が32倍になる夢の裏側には、99%近い失敗確率が潜んでいるのです。興味深いことに、同じ「元金を32倍にする」という目標を達成するためには、5回転がすよりも、一発で32倍の単勝馬券などを的中させる方が、統計的には成功確率が高いという逆説的な結果も導き出されます。

これは、転がしの各段階で控除率という手数料を何度も支払っているためです。この統計的な事実を理解し、無謀な長連勝を狙うのではなく、現実的な回数で目標を設定することが、複勝転がしという戦略と賢く付き合うための鍵となります。

スタイル別・複勝転がし戦略の長所と短所を比較

ハイリスク・ハイリターンな「1点集中型」の特性

1点集中型は、その名の通り、各レースで選んだ1頭の馬に手持ちの資金を全額投じる、最もオーソドックスでシンプルな複勝転がしのスタイルです。初期資金1,000円から始め、的中して得た払戻金1,500円を、次のレースで選んだ1頭に全額賭ける、という流れを繰り返します。

この手法の最大の長所は、成功した際の利益が最大化される点にあります。資金を分散させないため、連勝が続いた時の資産増加スピードは非常に速く、短期間で大きな利益を狙う「一攫千金」の夢を最も体現したスタイルと言えます。また、毎回1頭を選ぶだけで済むため、予想に集中しやすく、判断がシンプルであることもメリットです。

しかし、その裏返しとして、短所も極めて明確です。オールインで勝負するため、たった一度の不的中で全ての資金を失います。リスクヘッジの手段がなく、「勝つかゼロか」という極端な結果になりがちです。特に序盤で失敗が続くと、精神的なダメージも大きく、資金効率も悪化します。

賭け金が大きくなるにつれて、「これを外したら全てが無駄になる」という強烈なプレッシャーとの戦いにもなり、冷静な判断を維持するのが難しい場面も出てくるでしょう。

安定性重視の「分散投資型」とその運用法

分散投資型は、1点集中型のリスクを軽減するために、資金を複数の馬やレースに分けて投資する手法です。例えば、初期資金3,000円を1,000円ずつ3つに分け、それぞれで独立した複勝転がし(チェーン)を並行して進める、といった方法が代表的です。

このスタイルの最大の長所は、リスクヘッジ効果による安定性です。仮に3本のチェーンのうち1本が途中で失敗しても、残りの2本が継続していれば、資金が全額失われることはありません。

全滅のリスクを大幅に下げることができるため、精神的なプレッシャーが軽減され、冷静な判断を保ちやすくなります。また、一部のチェーンが目標金額に達した時点で利益を確定し、残りでさらに上を目指すといった柔軟な出口戦略を取ることも可能です。

一方で、短所としては、資金を分散させる分、一つのチェーンが成功した際の最大リターンは1点集中型に比べて小さくなる点が挙げられます。

大当たりした時の爆発力は抑えられ、「大きく勝つ」というよりは「負けにくく、コツコツ増やす」という性質が強くなります。

さらに、複数のチェーンを同時に管理するため、資金管理や記録が煩雑になりがちで、予想にかける手間も増えるという側面もあります。どちらのスタイルを選ぶかは、個人の資金力やリスク許容度、性格によって異なりますが、それぞれの特性を理解した上で、自分に合った戦略を選択することが重要です。

具体例で学ぶ複勝転がしのシミュレーション

1点集中で3連勝を狙う場合の成功確率とリターン

ここで、具体的な数値を用いて複勝転がしのシミュレーションを行ってみましょう。まず、1点集中型で3連勝を目指すケースを考えます。初期投資額を1,000円とし、毎回、複勝オッズが1.5倍で、的中確率が70%という、期待値が1.05(1.5倍 × 0.7)とプラスになる優秀な馬を選び続けられたと仮定します。

1レース目では、1,000円を投じて的中すれば、払戻金は1,500円になります。この時点での成功確率は70%です。2レース目では、その1,500円を全額投じ、再び的中すれば払戻金は2,250円に増えます。

2連勝できる確率は、0.7×0.7で49%となります。最後の3レース目では、2,250円を投じて成功すれば、最終的な払戻金は3,375円に達します。元手1,000円が約3.4倍になった計算です。

しかし、この3連勝を達成できる確率は0.7の3乗で約34.3%しかありません。つまり、約3回に1回は3,375円を手にできますが、残りの約3回に2回は途中で失敗し、投資した1,000円がゼロになるという結果になります。勝つ時は大きいですが、負ける確率の方が高いという、ハイリスク・ハイリターンの典型的な姿がこのシミュレーションから見て取れます。

分散投資でリスクヘッジした場合の収支モデル

次に、同じ条件で分散投資型のリスクとリターンを見てみましょう。初期投資額を1,200円とし、これを400円ずつ3つの独立したチェーンに分けます。各チェーンでは、1点集中型と同じくオッズ1.5倍、的中率70%の馬を選び、2連勝(400円が900円になる)を目標とします。

2連勝できる確率は各チェーンで49%です。この場合、考えられる結果のパターンは多様になります。例えば、3本のうち1本だけが2連勝に成功し、他の2本が途中で失敗した場合、収支はプラス500円(成功チェーンの利益)からマイナス800円(失敗チェーンの損失)を差し引いて、合計でマイナス300円の赤字となります。

もし2本が成功し、1本が失敗した場合は、プラス1,000円からマイナス400円を引いて、合計でプラス600円の黒字です。全滅する確率もあれば、全て成功する確率も存在します。このモデルから分かるのは、1点集中型に比べて一回あたりの利益額は小さくなるものの、一度の失敗で全てを失うリスクは回避でき、収支の振れ幅が穏やかになるという点です。

大勝ちの可能性は減りますが、大負けの可能性も同様に減るため、より安定した資産運用を目指すスタイルと言えるでしょう。どちらの戦略が優れているというわけではなく、自身の目指すリターンと許容できるリスクに応じて選択することが肝心です。

精神力が結果を左右するメンタル管理とルール遵守

プレッシャーに打ち勝つためのメンタルコントロール術

複勝転がしは、連勝が重なるにつれて賭け金が大きくなり、成功と失敗の差額も開いていくため、強烈な精神的プレッシャーとの戦いになります。

「次も当てたい」という期待と、「ここで外したら全てを失う」という恐怖が交錯し、冷静な判断力を奪いがちです。

このような状況で成功を収めるためには、技術的な側面以上に、強靭なメンタルコントロールが求められます。最も重要なのは、一つ一つの結果に一喜一憂しすぎないことです。

的中が続いて有頂天になれば、油断から安易な予想につながり、不的中で過度に落ち込めば、次のレースで焦りから冷静さを欠いた判断を下してしまいます。常に淡々と、確率と期待値に基づいた合理的な判断を積み重ねるという姿勢を貫くことが大切です。

また、「負けを取り返したい」という感情は、ギャンブルにおいて最も危険な心理状態です。転がしが失敗した直後に、熱くなって計画外のレースに手を出したり、賭け金を増やして勝負したりするのは破滅への近道です。

一度失敗したら、一旦冷静になる時間を取り、必要であればその日の競馬をそこで切り上げる勇気も必要です。感情の波に飲まれず、常に平常心を保つ訓練が、長期的な成功には不可欠です。

決めたルールを徹底的に守り抜く自己規律の重要性

メンタルコントロールと表裏一体の関係にあるのが、自身で定めたルールを厳格に守り抜く自己規律の力です。

記事の前半で解説した資金管理のルール、例えば「初期投資額の上限」「ストップポイントの設定」「オッズの下限」などは、決めるだけでは何の意味もありません。それをいかなる状況でも実行して初めて、戦略として機能します。

「今日は調子が良いから、目標の3連勝を超えてもう少し続けてみよう」といった気の緩みや、「この馬は鉄板だから、ルールを曲げて1.1倍でも買おう」といった例外の許容が、規律を崩壊させる第一歩です。

利益が出ている時ほど人は楽観的になり、ルールを軽視しがちですが、そうした時こそ兜の緒を締める必要があります。逆に、負けが込んでいる時も、「これ以上負けられない」という焦りから、無謀な賭けに走りやすくなります。

事前に決めたルールは、こうした感情のブレから自分自身を守るための最後の砦です。その日の結果をノートに記録し、なぜその馬を選んだのか、ルール通りに行動できたかを客観的に振り返る習慣をつけることも、自己規律を養う上で非常に有効です。

感情に流されず、定めた計画を淡々と実行できる強さこそが、複勝転がしを成功に導く最大の要因と言っても過言ではありません。

まとめ:複勝転がしで競馬に勝つ方法まとめ

複勝転がしは、少額の資金が連勝を重ねることで大きな資産に化ける可能性を秘めた、非常に夢のある馬券戦略です。

その過程で味わうスリルと興奮は、多くの競馬ファンを魅了してやみません。しかし、本記事で詳述してきた通り、その華やかなイメージの裏には、控除率の壁や連続的中の確率的な難しさ、そして一度の失敗で全てを失うという厳しい現実が存在します。

この戦略で成功を収めるためには、ただ夢を追うだけでなく、これらの現実を直視し、それに基づいた冷静な戦略を構築することが不可欠です。

最後に、複勝転がしを成功させるための要点を再確認します。第一に、破産しないための徹底した資金管理。初期投資額、分散方法、そして何より重要な「やめどき」という出口戦略を明確に定め、それを遵守すること。第二に、回収率を常に意識した馬券選択。

オッズの妙味を見極め、期待値の高い馬券だけを厳選する冷静な分析力。第三に、確率論に基づいた現実的な目標設定。無謀な長連勝を追わず、数学的な不利を理解した上で戦略を立てること。第四に、自分に合ったスタイルの選択。

ハイリターンを狙うか、安定性を重視するか、自己のリスク許容度を把握すること。そして最後に、最も重要なのが、感情に流されずルールを守り抜く強靭なメンタルと自己規律です。

これらの要素を組み合わせることで、複勝転がしは単なる運任せのギャンブルから、知恵と規律で利益を目指す戦略へと昇華します。夢と現実、その両方を見据え、ぜひあなたの競馬ライフをより豊かにする一つのツールとして、複勝転がしを賢く活用してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次