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サウジアラビアロイヤルカップ穴馬候補3頭予想と深掘り仮説

サウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ)は「出世レース」とも呼ばれ、後にGⅠ馬となったダノンプレミアムやグランアレグリアがこの舞台から羽ばたいた。例年は出走頭数が少なく、本命サイドの安定した決着が多い。

しかし、データや各馬の潜在能力を読み解くと、人気に反して“穴を開ける可能性”を秘めた馬も存在する。ここでは過去の傾向を整理した上で、2025年の同レースに登録した9頭の中から穴馬候補3頭を取り上げ、競馬ファンが見落としがちな視点から深掘りする。

目次

過去データから見るサウジアラビアロイヤルカップの傾向

傾向1:実力上位が強いデータ傾向

過去10年間では3着以内馬30頭のうち25頭が1〜4番人気に支持されていた。このレースでは人気馬の信頼度が高く、波乱は少ない。

傾向2:キャリア1戦1勝馬が強い

3着以内馬30頭中19頭がキャリア1戦であり、この組の複勝率は57.6%と高い。2戦以上の経験がある馬よりも、デビュー勝ちから挑む馬が好成績だ。

傾向3:内枠有利・東京マイル適性が重要

近10年で1番枠に入った馬の複勝率は45.5%と際立っており、東京芝1600mの特性である内伸びの恩恵が大きい。また、勝ち馬の多くは前走1500m以上の距離で速い上がりを使っており、東京の長い直線で末脚を伸ばせる馬が向くことが分かる。

傾向4:スローペースからの瞬発力勝負

レースは平均ペースより遅くなることが多く、最後の直線での急加速が勝敗を分ける。このため、瞬発力と位置取りが穴馬台頭の鍵となる。

こうした傾向を踏まえると、キャリア1戦で強烈な末脚を披露した馬や内枠から前目で立ち回れる馬が穴候補になる。以下では人気の割に見落とされている3頭――エコロアルバ、チュウワカーネギー、ニシノエースサマを詳しく検討し、驚きの結論を導き出す。

サウジアラビアロイヤルカップ2025 穴馬候補3選

穴馬候補① エコロアルバ – デビュー戦の末脚と調教の迫力

7月26日の新潟新馬戦(芝1400m)で1番人気に推されたエコロアルバは、中団から馬群の外を回って上がり3F 33.4秒の鋭い末脚を繰り出し、2馬身半差で快勝。モズアスコット産駒らしい切れ味で勝ちタイムは1分21秒3だった。レース後に販売されたチバサラブレッドセールで7000万円の値が付くなど潜在能力への評価が高い。

2週前追い切りで美浦ウッド6F82.4秒・ラスト1F11.1秒を計時し、陣営がまだ底を見せていないと評価している。レース週の最終追い切りでは美浦Wコースでアラクランと併せ馬を行い、馬なりのまま5F66秒5-11秒3をマークして半馬身先着。田村調教師は「体のバランス的にはまだこれからの馬だが、すごく動く」と成長に手応えを語り、サンスポ調教評価は最高のSが付いた。

父モズアスコットは安田記念覇者で東京マイルに強い血統であり、母スターアクトレスも芝中距離で堅実だった。デビュー戦が1400mだったため距離が延びる今回は未知だが、調教の動きからマイルにも十分対応できそうだ。

エコロアルバはキャリア1戦で末脚性能が高く、データ面からも好走条件に合致する。ただしデビュー戦は高速馬場で時計が出やすかったことが指摘されており、1分34秒台の決着が多い東京のマイルでどこまで伸びるかは未知数である。ペースが遅くなり過ぎると、前半であまりに置かれると届かない危険がある。また、調教師が「これからの馬」と語るように、まだ体が完成していない。東京への輸送と長い直線で体力を温存できるかが試金石だ。内枠から中団につけて直線で外に出せれば、一気の差し切りが期待できる。総合的に見ると、エコロアルバは人気以上の能力を秘めた大器であり、ハマれば大穴の主役になる可能性がある。

穴馬候補② チュウワカーネギー – スロー逃げの再現と完成度の高さ

6月7日の阪神1600m新馬戦でチュウワカーネギーはハナを切り、前半4F51.0秒-後半4F45.2秒という極端なスローペースに持ち込んだ。ラスト3F33.2秒の鋭い脚で後続を完封し、同レース2着のアンドゥリルが次走で5馬身差の圧勝を飾ったことから、この新馬戦のレベルが高かったことがうかがえる。

2週前追い切りでは栗東CWコース6F81.3秒・ラスト1F11.3秒と好時計をマークし、大久保厩舎が「大型馬でまだ全身を使い切れていないが、使われるごとに良くなる」とコメントしている。最終追い切りの情報は非公開だが、陣営は「軽めでも動きが良く、状態は上向き」というコメントを発している。

父モーリスは中距離〜マイル戦線で活躍した名馬。母デックドアウトは米GⅠ馬で、距離の融通が利く血統である。チュウワカーネギー自身は520kg近い大型馬で長く良い脚を使える点が特徴だ。

チュウワカーネギーはデビュー戦で極端なスローを演出して持ち味を発揮した。東京マイルで同様の展開を作れるかがポイントだ。今年の登録メンバーには逃げたい馬が少なく、行き切れば再び超スローに持ち込める。阪神外回りでラスト3F33.2秒を記録した瞬発力は東京でも活きるはずだ。大型馬で持久力に優れるチュウワカーネギーには好材料となる。データ面ではキャリア1戦馬が有利な点も追い風だ。デビュー戦のインパクトが大きいわりに人気が落ちることが想定され、スローペースに持ち込めれば、大波乱を演出するポテンシャルを秘めている。

穴馬候補③ ニシノエースサマ – 5馬身差圧勝の逃げ脚と劇的な成長

8月3日の新潟3R未勝利戦(芝1600m)でニシノエースサマは初めて逃げの手に出て、1分34秒6の好タイムで5馬身差の圧勝を飾った。レース後に津村騎手は「頭数が少なくペースが遅くなりそうだったので自分のペースで行った。1回使って落ち着きが出て馬が良くなっていた」とコメントしている。

デビュー戦(福島1800m)は伸びきれず5着に敗れたが、休養を挟んで馬体が絞れ、2戦目で別馬のように変わった。父スワーヴリチャード譲りの先行力とスタミナを証明したと言える。美浦南芝で行った最終追い切りは4F55秒台で馬なりの併入。鹿戸調教師は「コントロールが利きやすくなった」と成長を認めるコメントを出している。

ニシノエースサマの魅力は、極端な逃げ切りがハマった時の破壊力だ。東京芝1600mは直線が長く差し馬が有利とされるが、平均ペースより遅い流れになれば逃げ馬が残る余地はある。本レースに登録している逃げ候補は少なく、枠順次第ではニシノエースサマがすんなり主導権を取る可能性が高い。まだキャリア2戦目で粗削りな部分は残るが、精神面は成長している。人気薄が想定されるが、内枠からスローペースに持ち込めれば前残りも十分ある。

その他の注目馬について

新潟1800m未勝利戦で5F57.9秒、3F32.9秒というGⅠ級の上がりを記録して2馬身半差を付けたゾロアストロは、今レースでも有力視される。ただし、出遅れや2ヶ月半ぶりなど不安材料もあり、人気が集中し過ぎるなら相手として評価を下げたい。8日の最終追い切りではWコースで5F68秒2―11秒6を楽に計時し、調教評価『S』を得ている。

ガリレアは新潟未勝利戦(芝1600m)で好スタートから先行し、最後は4頭の追い比べを制して勝利。騎手は「まだ緩さが残るが、最後の反応が良く、これから良くなる」とコメントしており、完成度の高さが魅力だ。

ユウファラオはカンナS2着など1200mで実績を積んでおり、距離延長が鍵。マーゴットブローは2戦目で変わり身を見せたと評価されている。リネンタイリンは新潟2歳S9着から巻き返しを狙うが、成長途上だ。

結論:2025年サウジアラビアロイヤルカップの狙い方

サウジアラビアロイヤルカップは人気馬の信頼度が高いレースだ。しかし、過去データからはキャリア1戦の馬が高い複勝率を示し、内枠の先行馬や速い上がりを持つ馬が穴を空ける余地があることが分かる。今年のメンバーでその条件に当てはまるのがエコロアルバとチュウワカーネギーであり、さらに逃げ切りの可能性を秘めるニシノエースサマを加えた3頭が狙い目だ。

本命候補はエコロアルバ。高い末脚と調教の良さ、内枠を引けば信頼度が増す。距離延長とペースへの対応が鍵だが、キャリア1戦の上がり馬の中で最も魅力的。

対抗評価はチュウワカーネギー。超スローの逃げを再現できるかがポイント。休み明けながら調教の動きは良好で、無理なく先行できれば残り目がある。

単穴候補はニシノエースサマ。5馬身差圧勝は侮れない。逃げ切りの再現には枠順と展開の助けが必要だが、成長力に期待して穴で一考。

相手にはゾロアストロやガリレアといった素質馬を押さえつつ、3頭の穴候補の単勝や複勝、3連複のヒモとして活用するのが面白い。

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